応力除去と平面度:加工済みのベースが動く理由
溶接構造のマシンベースが機械加工後に変形する理由、炉による熱処理と振動応力除去の違い、そして工場が実際に守れる平面度要求の書き方を、加工手順とともに解説します。
マシンベースは、中ぐり盤から降ろされた時点で完成するわけではありません。お客様の工場でボルト固定され、6か月後も平らなままであって初めて完成です。このガイドの内容はすべて、その2つの時点の違いについてです。
変形はどこから来るのか
溶接とは、局所的で激しい加熱と、その後の急速な冷却です。各溶接部の周りの金属は、自由に動けない材料に拘束されたまま収縮し、動けなかった分が残留応力として閉じ込められます。完成した溶接構造は、寸法が完璧でも内部にエネルギーを蓄えたままということがあります。
機械加工はそれを解放します。切削のたびに、その釣り合いの一部を支えていた材料が除去され、構造物は新しい形に落ち着きます。テーブル上で平らに測定できたベースが、一晩で公差から外れてしまいます。鋳物にも、型内での不均一な冷却による、より穏やかな形で同じ問題があります。
したがって問題は、部品が動くかどうかではありません。機械加工の前に動くか、後に動くかです。
2つの方法
熱による応力除去。 構造物を炉に入れ、変態点よりも十分に低い保持温度まで上げて保持し、管理しながらゆっくり冷却します。その温度で鋼はわずかにクリープし、ピークの残留応力が下がります。仕様書で求められることが多い方法で、十分に文書化されており、記録として保管できるチャートが得られます。
コストは確かにかかります。部品が入る大きさの炉の能力、クレーンでの移動、他の仕事の後ろでの順番待ち、そして後でブラストで落とさなければならない表面のスケールです。大型のベースでは、炉の空き状況がリードタイムの中で最も長い項目になることがよくあります。
振動応力除去。 構造物を固定して計測器を取り付け、その構造物自身の共振周波数で一定時間加振します。ピーク応力は消えるのではなく再分布します。数日ではなく数時間で終わり、コストは炉のサイクルのごく一部で、炉も不要で、スケールも残りません。
機械フレームで広く、実績をもって使われています。一方で、どこでも認められているわけではなく、品質システムによっては認めないものもあります。これは仕様上の決定であり、工場に任せてよい技術的な好みの問題ではありません。
うまくいく手順
機械加工面が重要なベースであれば、どれでも次の手順です。
- 構造物を溶接します。
- 応力除去を行います。
- すべての機能面に取り代を残して荒加工します。
- 再度応力除去を行います。
- 仕上げ加工します。
費用削減のために省かれがちなのが2回目のサイクルですが、納入後に部品が動くのを防ぐのはまさにこのサイクルです。重要でない仕事では溶接後の1回のサイクルが一般的な慣行ですが、どちらを購入するのかは明記してください。
荒加工と仕上げ加工の間に部品を寝かせておくことも効果があり、かかるのは床面積と時間だけです。
意味のある平面度要求の書き方
図面上の「平面度 0.05以内」は仕様ではありません。その数値を測定可能にするための情報がすべて抜けています。
使える要求には、次の内容を記載します。
- どの面か。 各加工パッドを個別に扱うのか、上面全体を1つの面として扱うのか。
- どの長さにわたってか。 300 mmにわたる0.05 mmと、2000 mmにわたる0.05 mmはまったく別の仕事です。
- どのデータムに対してか。 平行度と直角度はデータムなしでは意味を持ちません。その書き方の文法が、ISO 1101およびASME Y14.5で規定されている幾何公差(GD&T)です。機械の組み立て方と、脚でどう据え付けられるかに合ったデータムを選んでください。
- どう測定するか。 直定規とすきまゲージ、精密水準器、レーザー、三次元測定機。それぞれ分解能も価格も異なります。
- いつ、どこで測定するか。 切削後に機械上で測るのか、規定の温度の測定室で定盤上で測るのか。大型の鋼構造物は周囲温度によって寸法が変わり、2 mのベースではそれは誤差の範囲では済みません。
- どう支持するか。 3点で支持して測ったベースと、6点で支持して測った同じベースとでは読みが異なります。明記しなければ、置き方を測っていることになります。
この6項目を入れれば、異なる工場からの見積が初めて比較可能になります。
それにかかるコスト
平面度を厳しくしても、コストは直線的には増えません。1 mあたり0.10 mmから0.05 mmにすると、通常は切削が1回増えます。0.05 mmから0.02 mmにすると、別の機械、追加の段取り、恒温室、2回目の応力除去サイクルが必要になることがあり、価格もそれに応じて変わります。
ですから、機械が実際に必要とするものを指定してください。グラウトしたプレートの上に載るガイドレールに、計測用フレームと同じ精度は要りません。当社が目にする中で最も高くつく図面は、どの面が重要かを誰も確認しなかったために、すべての面に既定の公差が適用されたものです。
送付する前に
機能面に印を付け、データムを指定し、応力除去の方法とチャートの要否を明記し、同梱してほしい検査書類を記載してください。その1ページの注記には、さらに1週間のメールのやり取り以上の価値があります。
図面を送ると、どの工場がその精度を守れるかをお伝えします。構造をまだ選んでいる段階であれば、鋳鉄と溶接構造の比較からお読みください。
よくあるご質問
振動応力除去は炉による熱処理と同等ですか?
両者は別のことをしています。炉による熱処理は、構造物全体を保持温度まで上げ、金属のクリープによって残留応力を解放させます。表面状態も変わり、炉の占有時間というコストもかかります。振動応力除去は、構造物を共振で加振してピーク応力を再分布させるもので、はるかに速く安価であり、機械フレームで広く使われています。仕様書や顧客によっては熱処理しか認めない場合があります。2つは同じ製品ではないため、価格を比較する前にどちらが必要かを決めてください。
機械加工したマシンベースの平面度は、実際どこまで出せますか?
適切に加工された鋼製または鋳鉄製のベースであれば、加工パッドで1 mあたり0.02〜0.10 mmの平面度が通常の商用範囲です。厳しい側を狙うには、安定した機械、落ち着いた部品、そして多くの場合2回目の切削が必要です。それより厳しい領域は研削やきさげ仕上げになり、それぞれ独自のコストがかかる別工程です。この数値は、測定方法とデータムが明記されて初めて意味を持ちます。
応力除去は荒加工の前と後、どちらで行うべきですか?
重要な仕事であれば両方です。溶接後に応力除去、荒加工、再度の応力除去、そして仕上げ加工です。荒加工は材料を除去し、閉じ込められていた応力を解放します。仕上げ切削の前に2回目のサイクルを行うことで、部品が機械から降りた後に動くのを防げます。重要度の低い仕事では、溶接後の1回のサイクルが一般的です。
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